ベータコンサルティングとは


運用と経営はコインの表裏、努力が報われる為にはチャンスとリスクにどのように取り組むかが共通の課題となります。
我々を取り巻く経済環境は極めて振れ幅の大きなものとなっており、
また企業の提供する製品やサービスは気が付くと過去のものという変化の激しい時代に直面しています。
当社事業分野は資金運用と経営の戦略に特化したコンサルティングです。外部経済環境変化というマクロトレンドを重視し、
非上場企業の利益向上を支援します。

ベータとは個別証券の値動きが証券市場全体(日経平均等)の動きに対してどの程度敏感に反応するかを示す数値です。
例えば、ある銘柄のβ値が1.2なら、日経平均が5%上昇するとその銘柄は6%上昇することを意味します。
市場全体を表すマクロ変動とその環境下で個別企業がどのように動くのか、
両者の関係性にウエイトを置くという立ち位置を表すためβ(ベータ)をロゴとしています。

ブログblog

2020.02.06

縦と横が示唆すること

武漢で起きたウイルス騒動は瞬時に世界中に広がり、患者数の増加や居場所の情報も時間差なく伝えられています。ニュースの伝わる速さはネットのお陰で過去とは比べ物にならないものとなっており、情報を受け取った個人や企業の対応も相応に早まります。全世界がこうした横に広がるリスクに対しては歩調をそろえて取り組もうとするので、今回の騒ぎは意外に早く収束するかもしれません。
一方、時間の経過とともに起きる縦の変化(市街の発展のような)はネットでとらえる事ができないので、変化を捉えるには実際にその場所に行ってみるしかないのであります。都市はしばらく来ていないと変化していることが目に見えてわかります。
昨年11月から12月にかけて十数年ぶりにフロリダに来ていました。首都マイアミは以前車がないとどこへも行けない街でした。今や公共の交通機関が巡らされておりmetro moverという高架を走る列車(といっても2両編成でタイアで走る)が主要な観光地を結んでいます。驚くことに運賃がただ。ダウンタウンからマイアミビーチにいく場合、metro moverからmetro bus(2.5$)に乗り継げば車なしで行けます。Vizcayaというマイアミの誇る博物館(豪邸)もmetro railの駅が博物館前に出来ているので公共交通機関で行けるようになったことに驚きました。
ビスケー湾(ダウンタウンとマイアミビーチの間にある湾)にあるダッジ島(Dodge Island)、世界最大のクルーズターミナルとして作られた人工島です。7つのクルーズターミナルがありますが、大型客船も停泊できるようになったのは2016年からだったようです。
フロリダにはマイアミに加えてフォートローダーデール(Fort Lauderdaleマイアミの北40km)にもクルーズターミナルがあります。両方の港を合わせるとカリブ海へのクルーズ港はフロリダが独占しているといっても過言ではないと思われます。
先回来た時(2005.11月)米国は住宅価格が高騰しており、日本の不動産バブル崩壊を経験していた私は現地を見て、やがて米国も不動産バブル崩壊が起きることを確信するに至ったのでした。不幸にも予測はリーマンショック(2008.9月)という形で実現、世界を揺るがす事態となったのは記憶に新しいところです。
他方、クルーズに関しては米国から学ぶところも多々あると感じました。日本でも人気が高まっていますがフロリダに比べるとクルーズターミナルの数や規模が見劣りの感は否めません。観光立国を目指すのであれば飛行機だけでは不足です。四方を海に囲まれている日本は船による旅客移動に適した立地にあると思われます。接岸に問題があるのならマイアミのような人工島を作っても良いのではないでしょうか。羽田の離着陸機を増やすことによる航空機の騒音問題、インバウンド観光客宿泊施設の不足などクルーズ船活用によって解決できそうな課題もあることでしょう。最近、横浜にハンマーヘッドという客船ターミナルが完成し稼働を始めています。これまでの大さん橋に加えて横浜の魅力を高めてくれるものと期待しています。さらに多くの港が日本の主たる都市に出来れば観光のみならず、緊急時の避難、物流、退避場所としても有効な手段となると思われます。
2019.11.20

定価がなくなる日

世界中にあるアウトレット。そこで買い物をすると得した気持ちになります。定価の20%引き等、数値表示がされている為どのくらい得をしたかが実感されるのです。買い物をする人達は割引率もさることながら「定価」というものが正しい価格であると信用しているので、そこから割り引かれた%が大きいほどお得感を感じているハズです。たくさんのブランド袋を抱えて車に乗り込んでゆく人達の顔には笑みが溢れています。

「定価」とは企業が付けた価格です。商品にどのような値段をつけるか、というのは企業の存続をかけた重要な戦略です。製作にかかった直接のコスト、販売にかかる人件費や広告宣伝費、どのくらいの数量が売れるのか、利益はどのくらい取るのか等を勘案して設定されるのですが、数量(売れゆき)が予測通りになることはまれだと思われます。その結果在庫を抱えることになった場合値引きをして在庫処分する場所としてアウトレットが存在しています。

もし提供者が様々なデータを正確に取り込むことが出来たなら、「定価」はどうなるでしょうか。「定価」は「時価」に変わるかもしれません。例えば株式市場のようなイメージ。企業価値に「定価」はありません。市場参加者の心理や需給、経済の外部環境や利益を生み出す力等をおり込みながら時々刻々時価が形成されています。

株式市場取引ほどではないにしても価格が変化する商品が増えつつあります。例えば航空券やホテル宿泊料。これらは供給量が決まっているので需要量に応じて価格を変化させています。その目的は売れ残りを最小化することです。

需給に応じて価格を変える方法はダイナミックプライシングと呼ばれ、コンサートやスポーツイベントでも使用されていますが小売業においても取り入れ開始、と報じられています。一部の家電量販店では在庫量、競合店価格情報に加え売れ筋死に筋などを分析して売値に反映させデジタル表示されているとのこと。価格が時々刻々と変わるわけではないものの、「定価」はあって無きが如しという意味では株式市場の価格表示に近づいているように感じます。

また、百貨店で販売されるアパレル等の値付けはメーカーが行っていますがメーカーは売れ残りリスクを自社で負っているのでその分価格は高くなっています。こうしたリスクを反映する価格をデジタル表示出来れば価格は下げられることになります。

モノの価格が株価のように変動した場合、消費者は「定価」と比べてお得な買い物をしたという喜びが無くなるでしょう。また他人と比べて割高な値段で買ってしまった、買うタイミングを間違えたといった後悔を感じることもあり得ます。妥当価格を見定める見識が求められるという面倒もあります。

もしかすると「定価」は人に幸福感を提供する為に存在しているのかもしれません。しかしながら今後さらにデジタル技術が進歩したとき、「定価」という概念は残るのでしょうか。完全に無くなることはないにしても増々希薄になってゆくものと思われます。消費者は自分なりの価値と価格を見極める力がモノを言う時代になることでしょう。
2019.10.18

倒錯の世界

リーマンショック後、世界の中央銀行は金利引き下げによって金融危機からの脱却を目指してきました。しかしショックの度合があまりにも大きかった為金利引き下げだけでは足りず、量的緩和策(QE)をも導入して市中に出回るマネーの量を増やし続けました。


それでも経済浮揚効果が十分でないと見て、幾つかの国々はマイナス金利まで踏み込んでいます。(日本は2016.2実施、その他、EU、デンマーク、スウェーデン、スイス等)これ等一連の政策は民間銀行からの貸し出しを増やし、マネーが実体経済に十分に行き渡ることを目的としたものでした。


ところが世界に溢れ出たマネーは2018.7から始まった米中貿易戦争等による景気減速を恐れ、安全性が高いと考えられた債券に流れ込み債券のマイナス利回りが発生しました。マイナス利回りというのは(債券を)買う側が金利を支払うという倒錯の世界であります。


なぜかくも不思議なことが実現するのかと言えば、債券満期を迎える前にさらに高い価格で買ってくれる買い手が現れる(ババ抜き)か、中央銀行が買い取った価格より高く買ってくれると考えている(マネーの逆流)からに他なりません。今や日本のみならずフランス、ドイツ、スイス等の国債もマイナス利回りとなっており、世界に流通している債券残高の1/4がマイナス利回りという債券バブル状況にあります。


このようなプロセスは債券を大量に保有する民間銀行の採算を悪化させ、借り入れと貸し出しの金利差縮小により融資に資金がまわらない等の悪循環を生み出しています。これまで、金利を下げれば景気は回復に向かうというのが当然の考え方であり政策でもありましたが、今や下げ過ぎの金利水準(reversal rate)は金融仲介機能を阻害し逆効果になるのではないかという疑念を産んでいます。


倒錯の世界の次に来るかもしれない暗黒の世界。そのような暗渠に陥らない現実的方法はマネーを実経済に回すこと。その為には設備投資や貿易、消費を阻害している主たる原因、貿易戦争を止めることを急ぐべき段階にきています。

新着情報news