ベータコンサルティングとは


運用と経営はコインの表裏、努力が報われる為にはチャンスとリスクにどのように取り組むかが共通の課題となります。
我々を取り巻く経済環境は極めて振れ幅の大きなものとなっており、
また企業の提供する製品やサービスは気が付くと過去のものという変化の激しい時代に直面しています。
当社事業分野は資金運用と経営の戦略に特化したコンサルティングです。外部経済環境変化というマクロトレンドを重視し、
非上場企業の利益向上を支援します。

ベータとは個別証券の値動きが証券市場全体(日経平均等)の動きに対してどの程度敏感に反応するかを示す数値です。
例えば、ある銘柄のβ値が1.2なら、日経平均が5%上昇するとその銘柄は6%上昇することを意味します。
市場全体を表すマクロ変動とその環境下で個別企業がどのように動くのか、
両者の関係性にウエイトを置くという立ち位置を表すためβ(ベータ)をロゴとしています。

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2019.11.20

定価がなくなる日

世界中にあるアウトレット。そこで買い物をすると得した気持ちになります。定価の20%引き等、数値表示がされている為どのくらい得をしたかが実感されるのです。買い物をする人達は割引率もさることながら「定価」というものが正しい価格であると信用しているので、そこから割り引かれた%が大きいほどお得感を感じているハズです。たくさんのブランド袋を抱えて車に乗り込んでゆく人達の顔には笑みが溢れています。

「定価」とは企業が付けた価格です。商品にどのような値段をつけるか、というのは企業の存続をかけた重要な戦略です。製作にかかった直接のコスト、販売にかかる人件費や広告宣伝費、どのくらいの数量が売れるのか、利益はどのくらい取るのか等を勘案して設定されるのですが、数量(売れゆき)が予測通りになることはまれだと思われます。その結果在庫を抱えることになった場合値引きをして在庫処分する場所としてアウトレットが存在しています。

もし提供者が様々なデータを正確に取り込むことが出来たなら、「定価」はどうなるでしょうか。「定価」は「時価」に変わるかもしれません。例えば株式市場のようなイメージ。企業価値に「定価」はありません。市場参加者の心理や需給、経済の外部環境や利益を生み出す力等をおり込みながら時々刻々時価が形成されています。

株式市場取引ほどではないにしても価格が変化する商品が増えつつあります。例えば航空券やホテル宿泊料。これらは供給量が決まっているので需要量に応じて価格を変化させています。その目的は売れ残りを最小化することです。

需給に応じて価格を変える方法はダイナミックプライシングと呼ばれ、コンサートやスポーツイベントでも使用されていますが小売業においても取り入れ開始、と報じられています。一部の家電量販店では在庫量、競合店価格情報に加え売れ筋死に筋などを分析して売値に反映させデジタル表示されているとのこと。価格が時々刻々と変わるわけではないものの、「定価」はあって無きが如しという意味では株式市場の価格表示に近づいているように感じます。

また、百貨店で販売されるアパレル等の値付けはメーカーが行っていますがメーカーは売れ残りリスクを自社で負っているのでその分価格は高くなっています。こうしたリスクを反映する価格をデジタル表示出来れば価格は下げられることになります。

モノの価格が株価のように変動した場合、消費者は「定価」と比べてお得な買い物をしたという喜びが無くなるでしょう。また他人と比べて割高な値段で買ってしまった、買うタイミングを間違えたといった後悔を感じることもあり得ます。妥当価格を見定める見識が求められるという面倒もあります。

もしかすると「定価」は人に幸福感を提供する為に存在しているのかもしれません。しかしながら今後さらにデジタル技術が進歩したとき、「定価」という概念は残るのでしょうか。完全に無くなることはないにしても増々希薄になってゆくものと思われます。消費者は自分なりの価値と価格を見極める力がモノを言う時代になることでしょう。
2019.10.18

倒錯の世界

リーマンショック後、世界の中央銀行は金利引き下げによって金融危機からの脱却を目指してきました。しかしショックの度合があまりにも大きかった為金利引き下げだけでは足りず、量的緩和策(QE)をも導入して市中に出回るマネーの量を増やし続けました。


それでも経済浮揚効果が十分でないと見て、幾つかの国々はマイナス金利まで踏み込んでいます。(日本は2016.2実施、その他、EU、デンマーク、スウェーデン、スイス等)これ等一連の政策は民間銀行からの貸し出しを増やし、マネーが実体経済に十分に行き渡ることを目的としたものでした。


ところが世界に溢れ出たマネーは2018.7から始まった米中貿易戦争等による景気減速を恐れ、安全性が高いと考えられた債券に流れ込み債券のマイナス利回りが発生しました。マイナス利回りというのは(債券を)買う側が金利を支払うという倒錯の世界であります。


なぜかくも不思議なことが実現するのかと言えば、債券満期を迎える前にさらに高い価格で買ってくれる買い手が現れる(ババ抜き)か、中央銀行が買い取った価格より高く買ってくれると考えている(マネーの逆流)からに他なりません。今や日本のみならずフランス、ドイツ、スイス等の国債もマイナス利回りとなっており、世界に流通している債券残高の1/4がマイナス利回りという債券バブル状況にあります。


このようなプロセスは債券を大量に保有する民間銀行の採算を悪化させ、借り入れと貸し出しの金利差縮小により融資に資金がまわらない等の悪循環を生み出しています。これまで、金利を下げれば景気は回復に向かうというのが当然の考え方であり政策でもありましたが、今や下げ過ぎの金利水準(reversal rate)は金融仲介機能を阻害し逆効果になるのではないかという疑念を産んでいます。


倒錯の世界の次に来るかもしれない暗黒の世界。そのような暗渠に陥らない現実的方法はマネーを実経済に回すこと。その為には設備投資や貿易、消費を阻害している主たる原因、貿易戦争を止めることを急ぐべき段階にきています。
2019.07.24

2000万円不足?

金融庁・金融審議会の報告書が、平均的高齢夫婦世帯では、年金だけでは2000万円不足と指摘したことがクローズアップされ社会問題化しました。同報告書によると「老後の生活設計を考えたことがある」人は全体の67.8%、30代以上で軒並み50%以上、その理由としては「老後の生活が不安だから」であり「お金」が主要要因になっていることが窺える、とされています。


人間は過去を懐かしんだり悔んだりしながら現在を生きていますが、将来がはっきりと見えている人は一人もいません。不安というのは何がおきるか判らないがゆえに生じる妄想の産物です。但しこれまで生きてきた経験から現在の延長線上に起きるであろうことを思い浮かべるので、単なる妄想よりは実現性は高いのでしょう。


不安の源は2000万という数字ではなく、酷い目に合うことなく人間らしく生を全うしたいというささやかな望みに対する懐疑にあるのではないでしょうか。将来そのような境遇に合わない為に必要なのはカネだけではないでしょうが、あれば少しは安心できるだろうからということで目安として提示したところ、逆に不安を煽る結果となってしまったということかもしれません。


年金だけでは足りないのは皆分かっているでしょう。その不足を長期の投資で補ったらどうか、というのも間違ってはいないと思います。ただ政策担当者たる国家が、個人だけに責任転嫁するというのはいかがなものでしょうか。


政治の第一義的使命は何でしょうか。小手先の制度改定によりパッチワークを続けることなどでは決してありません。国を豊かにして生活のレベルをかさ上げすることにあるのではないでしょうか。「失われた20年」のような状況に陥らないようにすること、不幸にも陥ってしまったなら早急にそこから脱出させることです。世界を見渡しても今後世の中が良くなっていくとは考えにくい状況にあります。どのような舵取りをすればこの目的を達することができるのか、与党のみならず野党も第一義的使命を全うする決意と覚悟が望まれます。


国民は報告書の提案のように投資のための金融知識を身につけていくべきでしょう。一方、国の経済を継続的成長に導ける能力のある政治家を見極め、選ぶことも同じくらい重要な一歩であると思います。20年後の将来、GDPが右肩上がりを続け2000万円問題は過去の笑い話であったという報告書が提出されることを期待しています。

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