2019.09.04

金は売れるのか?

引用元:三菱マテリアル
https://gold.mmc.co.jp/market/gold-price/

金価格の上げ下げの要因は様々ですが、最大の要素はざっくり言うと米国(米ドル)への信頼感ではないかと思われます。信頼感が強い時、資金が米ドルに流れ込み投資対象も高利回りの資産に集まります。このような状況時、利息の付かない金は魅力的でなく価格も下落します。

私ごとではありますが1988年1月5日、初めて100グラムの金の延べ板を買いました。
当時の価格は100g、201,000円。グラフ(長期推移_金価格 三菱マテリアル)を見ると明らかなように、買ってから価格は下がる一方でした。米ソの冷戦終結宣言(1989年)を境にドルへの信認が高まり、金に対する需要が減ったということなのでしょう。

金価格が大きな上昇をみせたのは同時多発テロ(2001.9)及びリーマンショック(2008.9)の2回でした。共通するのはともに米国に対する信認が大きく揺らいだ出来事であったということです。自国並びに世界経済への悪影響を避ける為、中央銀行は利下げに加えてQE(量的緩和策)を導入しました。これは市場に通貨を大量に供給する方策なので、通貨価値は下落 、相対的に金の価格は上昇となりました。

買った金が値下がりを続けていた為、机の中に放置しておいたのですが2012年末の大掃除中に出てきたので価格を見てみると480,600円になっていました。テロやリーマン危機の影響で安全資産たる金にカネが流れたことは明白です。

2013年以降FRBによる積極的金融政策が効を奏し、経済は信認を回復、金価格は下落
しました。ところが2018年から始まった米中貿易戦争を境に金価格は再び上昇、米中の関税かけ合い激化が世界経済の減速を加速するという市場の見方 を反映しています。

直近の顕著な動きとしては、各国中央銀行が金を買い増しし始めたことが挙げられます。19年の上期、世界の中央銀行の金購入量は1971年以降最高のペースとなり、374トンを買い増しした(world gold council))と報じられています。

通常、長期の国債を安全資産として保有する中央銀行が金の保有を急速に増やしているというのは何を意味しているのでしょうか。本日の金価格はグラム5,715円。混迷の度を増し続ける世界経済の状況を見ると、金価格はリーマンショックに勝るとも劣らない悪化トレンドにあること示唆しているように見えます。また、トランプ大統領はドルが高すぎると主張し続けているので、主張通りドルが安くなれば、ドルの通貨価値は下がります。ドル価値の下落は米国への信頼感低下を意味するので、さらなる金価格の上昇につながってゆくと思われます。今回は保有している金が下がり始めたら売却しようと思っているのですが、売却出来る日が本当に来るでしょうか?

注:世界標準となっている金価格は1トロイオンス(約31g)あたりのドル建て価格を取引単位としています。日本における価格は、1グラムあたりの円建て表示なので、ドル表示と同じような動きにはなっていません。すなわち日本価格は米国価格を31gで割り、ドル円レートをかけたものとなっているので、ドル高円安なら高くなり、逆にドル安円高なら安くなります。