ミセスワタナベ再び?

(資料)社会実情データ図録
円安ドル高が早いペースで進んでいます。3月に入って115円から130円近辺へと2か月でなんと15円の上昇。貿易とインフレを加味した実質実効為替レートに至っては過去最低の円安水準です。(同レートが低い時は、外貨が高いことを意味する。)
原因は米国の急激な消費者物価上昇。40年ぶりの高さです。インフレを抑えるためには米国金利をあげざるを得ず、日米の金利差がドル高を招いています。
実質実効為替レートの急激な低下は、過去にもありました。1995年4月、同レートは最高値151.1を付けましたが、その後2003年には110を切り、2008.年秋ごろまでは80~90まで下落しました。こうした状況下では、資産形成には外貨保有が有効。実際この期間、外貨建て投資信託の基準価格は上昇し、ミセスワタナベ(為替取引をする個人の代名詞)は為替で大儲け。2000~2006で4億の利益を得たようです。
2008年以降、実質実効為替レートは円高に転換しています。理由は同年9月のリーマンショック。世界がリスクを取らなくなり(risk off)当時安全度が高いとみなされていた円が買われた為です。ミセスワタナベはこの時期、儲けのチャンスを失ったばかりか、2007年には脱税が発覚して延滞税、重加算税など5億円を負担することになったと報じられました。
過去、世界を揺るがすような事態が起きると円高になるというのが常態化していました。Risk off時の円高もその一つ。これは円が安全資産と見なされていたからですが、その背景には長期に亘る経常収支黒字があります。ところが、日本の経常収支は42年ぶりの赤字に転じる可能性が取りざたされています。原油価格が急激に上昇している為です。経常収支が一転赤字ということになると円安は構造的なものとなりそうです。
自国の通貨が安くなるということは、長期的には国力の低下を意味するのでもろ手を上げて歓迎するようなものではありません。日本はただでも政府債務残高がGDPの250%以上と過剰なので、金利の上昇は日本売りにつながり財政を危険にさらす恐れがあります。
日銀が政策金利を抑えようとしている為、ドル高を加速させているという議論もありますが、日銀の目的はまさかミセスワタナベを儲けさせるためではないでしょう。金利上昇を抑制することで、住宅ローン金利上昇や、企業の借金膨張を防ぐという効果も期待できます。
円安ドル高が進むと、輸入に携わる中小企業には打撃となることは避けられません。対策として為替ヘッジや、ミセスワタナベの世界に踏み込むというのも一つの方法かもしれません。直近の円の実効為替レートは66近辺と過去最低水準にあります。同レートは簡単に言うと通貨の実力と言えるので下げ続けている限り、外貨保有が利益を生む局面にあるということです。ミセスワタナベは再び利益を積み上げているかもしれません。
原因は米国の急激な消費者物価上昇。40年ぶりの高さです。インフレを抑えるためには米国金利をあげざるを得ず、日米の金利差がドル高を招いています。
実質実効為替レートの急激な低下は、過去にもありました。1995年4月、同レートは最高値151.1を付けましたが、その後2003年には110を切り、2008.年秋ごろまでは80~90まで下落しました。こうした状況下では、資産形成には外貨保有が有効。実際この期間、外貨建て投資信託の基準価格は上昇し、ミセスワタナベ(為替取引をする個人の代名詞)は為替で大儲け。2000~2006で4億の利益を得たようです。
2008年以降、実質実効為替レートは円高に転換しています。理由は同年9月のリーマンショック。世界がリスクを取らなくなり(risk off)当時安全度が高いとみなされていた円が買われた為です。ミセスワタナベはこの時期、儲けのチャンスを失ったばかりか、2007年には脱税が発覚して延滞税、重加算税など5億円を負担することになったと報じられました。
過去、世界を揺るがすような事態が起きると円高になるというのが常態化していました。Risk off時の円高もその一つ。これは円が安全資産と見なされていたからですが、その背景には長期に亘る経常収支黒字があります。ところが、日本の経常収支は42年ぶりの赤字に転じる可能性が取りざたされています。原油価格が急激に上昇している為です。経常収支が一転赤字ということになると円安は構造的なものとなりそうです。
自国の通貨が安くなるということは、長期的には国力の低下を意味するのでもろ手を上げて歓迎するようなものではありません。日本はただでも政府債務残高がGDPの250%以上と過剰なので、金利の上昇は日本売りにつながり財政を危険にさらす恐れがあります。
日銀が政策金利を抑えようとしている為、ドル高を加速させているという議論もありますが、日銀の目的はまさかミセスワタナベを儲けさせるためではないでしょう。金利上昇を抑制することで、住宅ローン金利上昇や、企業の借金膨張を防ぐという効果も期待できます。
円安ドル高が進むと、輸入に携わる中小企業には打撃となることは避けられません。対策として為替ヘッジや、ミセスワタナベの世界に踏み込むというのも一つの方法かもしれません。直近の円の実効為替レートは66近辺と過去最低水準にあります。同レートは簡単に言うと通貨の実力と言えるので下げ続けている限り、外貨保有が利益を生む局面にあるということです。ミセスワタナベは再び利益を積み上げているかもしれません。