2020.12.08

何が問題なのか。

プリンストン大学のアティフ・ミアン教授によると、最上位1%の富裕層の所得が所得合計に占める割合は15%。また、アマゾンCEOのジェフ・べゾス氏が自分の資産(1450憶ドル)を年5%で運用すると、資産を一銭も減らさずに毎日2000万ドル(21億円)を使うことが可能で、この額は中位個人所得の21万倍に相当するそうです。

大きすぎる経済格差は開いていく一方なので、社会に歪をためこむことになり自由主義などの価値観を覆すことにもなりかねません。人は何とかして資産を築こうと必死に働き、一攫千金を夢見て富裕者への近道を探すことに躍起となるわけで、書店の棚には夢みる人々への指南書や富豪の本が所せましと並んでいます。

格差を是正する方法として税率や課税資産の検討、所得配分による経済的底上げ、医療費の負担軽減策、社会人教育の実現などが考えられますが、もっぱら国の施策に依存することになってしまいます。

ベゾス氏は自力でビジネスを立ち上げ、様々な障害を乗り越えて世界に冠たるアマゾンを築いたわけで、莫大な資産を保有していることに文句を言う人はいないでしょう。また多くの人が、何とかして富裕層の仲間入りをしたいと思うことも非難されるようなことでもないと思います。

富を築く方法についての障害はどこにあるのでしょうか。一般的に社会で言われていることには誤解があるように思います。上記べゾス氏の例に戻ると21万倍もの差が生まれた理由は①1,450億ドルという保有資産②5%の運用利回りです。社会の大多数の認識では①の保有資産が少ないことこそが問題の本質ということになっていないでしょうか。

保有資産の大きさは、起業して大成功をおさめる、宝くじに当たる、などいくつか考えられますが、大金持ちの家に生まれるというのが現実的です。残念ながら生まれる前から決まっていることが殆どです。

誰にでもチャレンジ可能な方法はないでしょうか。べゾス氏の例で挙げた②の運用利回り。ある程度の利回りを出せれば①が少なくとも差は埋められます。一日、21億円はスケールが大きすぎるので、一日2万円入ってくる方法を考えてみましょう。上記の例にならって「資産を一銭も減らさずに」という条件を付けます。

上記の5%は年間の利回りなので一日2万円を年収ベースにすると、2万X365=730万。
いくらの資産があれば永久に毎年730万を手にすることが出来るか、という問い置き換えます。計算は簡単、5%で運用出来るなら730÷0.05=1憶4600万となります。(この計算の正しさは無限等比級数和の公式で証明可。)

現在は預金なら1%でも厳しいのですが、1%で運用出来たとすると、必要額は730÷0.01=7億3000万。もうこの時点で諦めが先に立ち、やはり宝くじか、となります。しかし、もしウオーレン・バフェットのように毎年20%で運用出来るなら必要額は730÷0.2=3650万と一挙により現実的な数字になります。

誰でもバフェットのような実績があげられれば苦労はしないわけですが、ここで言いたいのは保有資産の差を嘆くより自助努力を続けることで格差を埋めていくことができるということです。いくらの資産を持っているかのみ関心を抱く先にあるのは不毛の荒野です。

こつこつと仕事をするのは尊いが、投資で儲けるのは邪道、という考えも未だ社会の常識となっているような気がします。投資にはリスクもつきもので、何にいつ投資をし、損失をどのようにコントロールするか、など課題があり運用力をつけるのは易しいことではありません。しかし資産格差を乗り越える為の具体的方法をとして、真剣に取り組む価値のある分野と言えるのではないでしょうか。