2018.12.04

行列の出来る店@ワイキキ

ハワイのオアフ島、アラモアナ公園から西に向かって大規模な開発が進んでいます。ワードという新たに開発の進んでいる地区には、新しいコンドミニアム、whole foods(Amazonが買収したスーパーマーケット、品揃え豊富で新鮮な素材を扱っていることで有名)ショッピングゾーン等が広がっており、昔は倉庫地帯であったこの場所がオシャレな一帯に変身を遂げつつあります。

この開発はさらに西に延びており、何年か先(2025予定のようです)にはカポレイ(真珠湾西側)を起点として、空港を通りハワイ最大の人気商業施設「アラモアナショッピングセンター」まで電車が通るそうです。アメリカはハワイに限らず車社会が常識で、そもそも電車が通ることが珍しいので、これは画期的なプロジェクト。電車はワイキキ地域には乗り入れないので、ワイキキのホテルに宿泊する観光客はアラモアナで下車してタクシーかバスに乗り換えるということになると思われます。

ワイキキエリアでいつ行っても行列が出来ている店があります。1つはカラカウア通りに面したEggs’ Things。卵を使った朝食と、ホイップクリームとナッツが贅沢に乗っているパンケーキがウリの店。価格は$10~$13とお手頃で、大きく開いた窓からはワイキキビーチが目の前というロケーション。同じ食事をするなら景色の良いところを選びたい、ということで並んででも待つということなのでしょう。ホイップクリームの盛りっぷりも人気の秘密と思いました。

もう1つは道路を一本内陸に入ったクヒオ通り沿いにある丸亀製麺。ハワイにうどんはミスマッチな感じがするので、何故こんなに人気があるのか正直、理解に苦しんだ挙句メニューを見てみました。うどん、てんぷらなど日本よりも値段は高めですが、物価の高いハワイにあってこの値段は価格破壊の域にあり、出来たものを自分でテーブルに持っていくセルフ方式なのでチップも不要。 日本の料理は高いのが常識となっているのでこの値段はウケるのでしょう。開店時間も7:00~22:00と、いつ行っても並びさえすれば食べられるので時間を気にする必要もありません。

番外編は、Ruth’s Chris Steak House.ワイキキ・ビーチ・ウオークの2階。17:00開店ですがその前から店の前には行列が出来ています。ステーキハウスなので値は張りますが実に美味。米国農務省認定の最高級熟成牛肉を980°で焼き上げた肉が供されます。店の説明によれば、この店はもとニューオーリンズに住むルースさんが自分のレシピによるステーキハウスを開設するにあたり、自宅を抵当に入れて開始し、同地で営業したところ高い評判を得て、全米各地に展開するに至ったとのことです。

どの店も国籍や人種に関係なく行列ができる店ということになりますが、いくつか共通項があるように思います。一言で言うと4つのPがターゲットとする顧客の基準にマッチしているということです。(マーケティング戦略4つのP:price/place/product/promotion)
どの一つが欠けても行列はできないか、長くは続かないということになるのだと思われます。
2018.10.09

ボケ知らずの歩き方

高齢化とともに、認知症のリスクがますますクローズアップされるようになってきました。
人間だれしも、ただ長生きすることだけを望んでいるわけではなく、健康で生き生きと人生を楽しめてこその長寿と思っているはずです。


最近テレビでは健康番組がやたら目につきます。認知症に限らず、それぞれ専門分野の医師が出演して懇切丁寧な予防法や原因説明をしてくれるのでつい観てしまうという方も多いのではないでしょうか。日本が世界の中でも長寿国家である理由の一端を間違いなく担っていると思います。


病気になる人が増えると医療費が社会保障費を押し上げ財政を圧迫するので、健康なお年寄りが増えることは日本にとっても良いことです。娯楽として見ることが、個人にとっても国家にとっても直接的な利益をもたらす番組を惜しげもなく放送している国は多くはないと思われます。


ただ、番組の数に比例して扱う病気の種類や病気にならない為の対処法等が増加の一途をたどっているため、健康オタクのようにならないとも限りません。また、長寿は年金の支払い増加という財政負担が発生することも事実ではあります。


政府は首相を議長とする「未来投資会議」で雇用年齢を65歳以上に伸ばす、70歳を超えて公的年金の受給を開始できる制度改正等を検討してゆくようです。年金をもらってのんびり余生を送るという希望を胸に頑張ってきた方々には、いささか肩身の狭い社会になってゆくかもしれません。


先日偶然に見たテレビで、あることをすると認知症の発生率が1/7になったというのがありました。認知症は全身の血流が悪くなって、これにつれて頭の血流も悪くなることが原因の一つとなるとのこと。その為にやるべきは、一日5,000歩歩くことだそうです。
ワタシも徘徊と間違われないようにしながら、歩く時間をのばしてみようかなと思ったのでした。
2018.06.09

オリンピック後の日本

オリンピックが終わった後、日本国内にはインフラ分野で有望な投資先がなくなってゆくのではないかと危惧されます。また、2025年には65歳以上が人口の30%に増加、高齢化が一気に進むと報じられていますが、労働人口が減り高齢者が増えるということは、税収が減り、社会保障を中心とする負担は増えることを意味します。こうした問題は財政赤字を拡大させるとともに経済力を低下させます。今後の日本の行く末に期待はもてるのでしょうか。



一方、日本にはオリンピックまでにインフラ開発や交通手段のKnowhow蓄積が加速し、過去の貧弱な道路やうんざりするような渋滞を解消してきた知恵や経験が山積みになっているはずです。例えばC2(首都高中央環状線)は日本で一番長い山手トンネル(8.2Km)を開通させ、都内の渋滞を避けながら目的地までスムーズな運行を可能にしました。C2の外側には東京外かく環状道路が完成しつつあり、さらにその外側には圏央道が出来上がっています。その結果、C2に乗れば都内ばかりでなく地方へも、国道や県道を経由することなく行くことが出来るのです。中央高速、関越道、東北道、常磐道、東関道、東名高速などへのアクセスもスムーズ。地方への物流や、レジャーの連絡道としても一挙に利便性が増したと実感できています。



世界を見渡すとこうした分野に工夫が求められている国々は枚挙に暇がありません。
例えばバリ島は世界に冠たるリゾート地ではありますが、リゾートに至る道幅は極めて狭く渋滞は日常茶飯事。排気ガスによる空気の汚れや車線すらない一本道の道路など、事故や危険と隣り合わせになっている状況。現状を放置している限り行き詰まることは明白で、アジア諸国にはこのような問題がいたるところに転がっています。
タイ、ベトナム、マレーシアなど回ってみれば気付くことですが、共通して解決されねばならないながら放置されているのが道路交通分野です。これら新興国は押しなべて人口増加のスピードが速い。このままだと人口が減少していかざるを得ない日本とは、対極にあります。またアマゾン効果等による物流増加対応の為の道路依存は今後も世界各国で高まる一方でしょう。



こうした中、日本に求められているのは単に工事を受注するということだけではなく、「渋滞を解消する」という施策とパッケージにした解決策提供であると考えます。
日本が過去培ってきた渋滞解消のknowhowには高い経済価値があると評価されると思います。3つの環状道路が計画されたのは東京五輪の前年、1963年(日経新聞による)日本の場合、土地の買収等に時間がかかり10年近い年月を要した訳ですがこうした問題の少ない新興国では、もっと短期に解消させることができることでしょう。中国が一帯一路政策で西へと開発の手を伸ばすのを手を拱いてみている余裕は日本にはありません。「渋滞解消」をビジネスとして海外に提供することは双方の利益となるものと思われます。
2015.06.12

ヴェネツィア 富と権力

世界の歴史に多大な影響を与えた地域はどのように生まれてきたのか、そこにはいくつかの共通項があるようです。現代ではアメリカのシリコンバレーが代表的ですが、中世ではルネッサンス文化の開花に大きく貢献したイタリアの諸都市、中でもヴェネツィアはその代表ともいえるでしょう。ルネッサンス文化を支えた富と権力はどのように獲得されてきたのでしょうか。



結論から先に言うと、ヒト・モノ・カネ・風土が生んだというのが私の仮説です。最近読んだ本「バランスシートで読み解く世界経済史」(ジェーン・グリーソン・ホワイト)にヒントがあったので、この本を参考文献として考えてみます。



15世紀中ごろ、十字軍による聖地エルサレムの奪還が叫ばれ騎士団は聖地をめざしましたが、その通リ道であったヴェネツィアは中世交易の中心となっていきました。交易はヒトとモノの流れを意味します。アドリア海に面した港という立地も海上交易の拠点としてヒト、モノを引き付けたことでしょう。



中世のヨーロッパは宗教の影響が強く教会は融資の際、固定金利を付けることを禁止していました。「ヴェネツィアに誕生したダティーニは為替手形により教会の目をかいくぐり、国際的マーチャントバンカーとして貿易と信用のネットワークを構築。それにより産み出された巨大な富が建築、美術、学問に投じられた。」かくしてカネの面からもヴェネツィアはルネッサンスの資金供給源となったのです。



風土の面からヴェネツィアに富と権力をもたらしたのは実利主義といえるでしょう。「ヴェネツィアは中世ヨーロッパにおいて、パリ、ナポリに次ぐ3番目の規模を誇っていた。ヴェネツィアは他の都市国家と違い、教会の支配よりも商業を優先、異教徒オスマントルコとも講和条約を結んで争いに巻き込まれることなくビジネスを続けた」のです。



この本の副題「double entry」は複式簿記のことですが、ルカ・パチョーリというルネッサンス時代の修道士、数学者によるもので、パチョーリはレオナルド・ダビンチに数学を教えた人でもあったようです。複式簿記は現代でも世界中のビジネス実務で使われていますが、ビジネスの結果生み出される成果を記録、把握する為の基本的インフラです。パチョーリというヒトがヴェネツィアに誕生したことがヴェネツィアの経済的発展を後押ししたのは間違いありません。



十字軍遠征という宗教的背景を利用し交易を行う一方、教会の権威や支配には距離を置くというしたたかな戦略。これにより獲得したモノやカネ、それを背後から支えたヒトや風土によりヴェネツィアは栄え、ルネッサンスは花開きました。ヒト・モノ・カネ・風土はビジネス、投資を成功に導く本質的要素であることを示しています。
2015.01.19

カジノ?

カジノに対するイメージを聞いて回ったことがあります。概してお子さんをお持ちの女性は否定的なイメージを持たれているようです。ギャンブル依存症や治安の悪化などを懸念されており、日本にカジノは「よろしくない」ということのようです。どのくらいよろしくないのか、確認のため政府がモデルとしようとしているシンガポールのカジノへ昨年末行ってきました。以下、そのレポートです。



2010年開業したマリーナ・ベイ・サンズ。3棟のホテルの上に船のようなプラットフォームが乗っており舳にあたる部分にはエレベーター(56階)で上ることができます。ここからシンガポール全体が見渡せ360°のパノラマは壮大、一見の価値あり。



このホテルから海方面に向かって広大なショッピング・ゾーン(主に高級ブランド店や飲食店)が伸び、一番海に近い場所のグランドフロアーから下3階に豪華カジノが広がっています。入口は3つ。内2つは外国人用で、入るためにはパスポートが必要。もう1つはシンガポール人及び永住者用で有料。入口が違うのでシンガポール人専用のカジノがあるのかと思ったら、中では一緒でした。



平日の午後2時頃、カジノの中は9割方埋まっておりスロットでは多くの中国系(だと思う)の方々がに遊んでいます。ディラーの居るテーブルも6割位の着席率。モデルのような女性がすたすたと歩いてきてカードゲームに興じたりしていました。ソフトドリンク飲み放題、たばこ吸い放題。少々煙いのを除けば高級な大人の遊び場といった感じです。



マリーナ・ベイ・サンズ、もう一つの特徴は光と噴水、レザー光線、音楽が一体となって織りなされるダイナミックなショー。毎晩8:00と9:30に行われています。大人も子供も一緒に楽しめる大型施設の一角にカジノもある、というイメージでした。スケールの大きなホテル、ショッピングゾーン、ダイナミックなショー、の三位一体には既視感あり、調べてみました。やはり、ここの運営はラスベガス・サンズの手によるものだったのです。[ホテル前の広大な池で噴水が踊るベラッジオやベネチアンホテル等で有名]



カジノ合法化にむけて、議員連盟により提出されたIR法案(統合リゾート推進法)は民間の資金や活力を生かし、国のイメージ向上、海外集客促進などによる経済効果を狙っています。(国民の間にギャンブルを広めよう!という内容ではありません。)日本の成長にとっても大きく貢献できるプロジェクトになると思われます。



IR法案は先の衆議院選挙で廃案となりましたが、今国会への再提出予定と報じられています。成立後1年以内に国による法制上の手当てを義務付けていますので、ギャンブル依存症や治安の悪化、マネーロンダリングなどの対策もしっかりと行われることになるでしょう。



但し、カジノはシンガポールの他マカオや韓国、マレーシア等にも競合がおり、厳しい競争も予測される分野でもあります。日本らしい独創性のあるクールな統合施設を是非実現させてほしいものです。